月曜日, 9月 04, 2006

漫画 プラネテス

「プラネテス」 著:幸村 誠 アフタヌーン 全四巻

『まいったね 帰りのキップのない所にはもう行けねェや』

2006年の夏、ネット上で「漫画ナツ100」というものが
執り行われていたのですが、その中で上位に食い込んだ作品です。

僕も読んだのはつい最近なのですが、コレは本当に面白いです。

舞台は21世紀後半、人類が宇宙進出を進めた頃。
大気圏上空にたまった宇宙のごみ、デブリを拾う主人公と
その仲間を中心に物語は進みます。

広大な宇宙の前に、ある時には押しつぶされそうになり、
またある時には怖さをこらえ、懸命に立ち向かい、
そしてまたある時は自分も宇宙の一部である事を実感する主人公の姿は
時に泥臭く、時にカッコ悪いけれど、
言葉では伝えられない何かを、僕達に伝えてきます。

そして、一方で同時に描かれる「ヒト対ヒト」も魅力的です
それは戦争であったり、差別であったり、
反抗期の子供と親であったりと様々ですが、
「どうにもならないこと」「どうしようもないこと」に
いつのまにか立ち向かえなくなった大人、それでも立ち向かう大人、
描かれる千差万別の人間模様は必ず、
何かしらのモノを読み手に残していくと思います。

また、この作品は「絵で魅せる」漫画です。

言葉にできない、けれど伝えたい、と人が思うようなことが
精密に綿密に書き込まれた絵、
絶妙な間の取り方、
そして海や自然、空、地球、シルエットなどを通して
強烈に伝わってきます。
特に、四巻最後の演説は圧巻の一言です。
僕は鳥肌がたちました。

この作品を読まないのは漫画大国、日本に生まれたものとして
もったいないと思います。
本屋などで見かけましたら、購入を検討してみてください。
買って損はありません。・・・たぶん。

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