「イリヤの空 UFOの夏」 著:秋山 瑞人 電撃文庫 全4巻
心が痛い・・・。
もうね、無理。
面白いですよ。面白いですけど、
本っ当に、心が痛い。
心に響きます。心がえぐられます。
弱っている時に読むのは絶対にオススメしません。
下手するとしばらく立ち直れなくなります。
だけど、読んで欲しい。
ヒロイン、イリヤと主人公、浅羽の選んだ答えを知って欲しい。
そう、思います。
(ネタバレなので反転です。読みきった方だけどうぞ)
最後の章、浅羽がイリヤを守るシーン、かっこいいです。これぞ主人公。
その浅羽を守るために自らを死地に追いやるイリヤ。
彼女が最後に皆に向けて言い切った
「わたしも他の人なんか知らない。
みんな死んじゃっても知らない。わたしも浅羽だけ守る。
わたしも、浅羽のためだけに戦って、浅羽のためだけに死ぬ」
この台詞は震えるほどしびれました。
ですが、僕はこの話しの主人公は榎本だと思うのです。
榎本は浅羽をあの場所へ連れて行くことで
その結果どんなことが起こるのか、そしてイリヤはどうなるのか。
その全てを理解し、何が起こるかという全てを予測した上で、
それでも榎本は世界は何もかもを賭けるだけの価値があると信じ、
そしてその世界を守るためにイリヤの浅羽への好意を利用し
イリヤを死地へと送りました。
そのとき榎本は一体どれだけの覚悟を背負ったのか!
生まれてからずっと傷つき続けていたイリヤに初めて
「生きたい」と思わせた浅羽を利用し、
彼女から生きるという選択肢を奪った彼はどれだけ心で泣いたのか!
それを考えると榎本の最後の台詞
「世界を滅ぼすんじゃなかったのかよ!!
そこまでの大口を叩く野郎が
おれの一人や二人ぶち殺せなくてどうすんだよ!!
おれは、おれは最後にお前に殺されるんならそれでよかったんだよ!!」
この台詞、僕は涙なしには読めません。
読んだことがない方はぜひ手に取ってみてください。
0 件のコメント:
コメントを投稿